アサザが絶滅しそうな原因は、湖の水位上昇管理にあります
アサザが絶滅の危機に追い込まれていある原因はさまざまありますが、
@ コンクリート護岸化
A 湖の水位上昇
が大きな原因です。
特に、国土交通省霞ヶ浦河川事務所が霞ヶ浦の水位を上昇管理(以前より30cm上昇)していることが
大きな影響を及ぼしています。
この水位管理によって、水位管理が始まった1996年と比べて、アサザは2010年1月現在10分の1に激減しています。
水位上昇管理とは
水位上昇管理は、水資源開発の一環として霞ヶ浦の水位を冬季にY.P(※1)1.3mに上昇させる管理のことです。
これは、1996年から国交省が開始した『霞ヶ浦開発事業(※1)』によるものです。
国交省は、「霞ヶ浦の水位は、地域の産業や生活を守る各種用水を確保するためにYP+1.3mの水位を確保することが
必要(2004.10.3 第9回霞ヶ浦意見交換会資料より引用)」としています。
ところが、実際には現在は水余りの状況にあり、水位を上昇して水を多く貯める必要はありません。
※1 利根川水系水位基準のこと
※2 霞ヶ浦開発事業は、「利根川水系における水資源開発基本計画の一環をなすもので、
事業の目的は、霞ヶ浦の護岸周囲に堤防を築造し、沿岸部を洪水より防御するための治水事業と、
霞ヶ浦を貯水池として利用し、かんがい用水をはじめ、都市用水を開発するための利水事業で、
水資源開発公団(現:独立行政法人 水資源機構)を事業主体として実施されました。
(霞ヶ浦河川事務所のHPより引用)」
水位上昇管理によって、霞ヶ浦のアサザやさまざまな植物が減少しています
湖の水位が上昇すると、波が強くなり、霞ヶ浦の水草が減少します。
かつては、湖に繁茂していた沈水植物や浮葉植物(アサザなど)、水草のおかげで、波はおだやかでした。
しかし、1970年代から始まった霞ヶ浦総合開発事業で、岸がコンクリートになり(護岸工事され)、
打ち返しの波が強くなり、湖岸の植物や砂浜が流されています。(植生帯は、1972年から1997年に1/6まで減少)
その上、水位上昇によって、さらに波が強くなり、侵食もすすみ、アサザやヨシ原や他の植生帯も波に侵食され、減少します。
また、河川事務所の計画によれば、水位上昇のピークを3月までに実施することになっています。
この時期は、湖底やヨシ原等で植物の芽が出る時期と重なり、植生帯は水位上昇の影響を最も大きく受けます。
下図は、アサザ群落の面積の推移を表した図です。
1994/96年から現在までに、アサザの面積は約1/10に、群落数は34から11に激減しています。(1回目のダメージ)
1996年 霞ヶ浦開発事業の運用に伴い、湖の水位をこれまでのY.P1mからY.P1.3mへと水位を上昇する管理が
霞ヶ浦河川事務所によって開始されました。
2000年 水位管理が実施されて以来約5年間で、霞ヶ浦のアサザの面積は約10万u→1万uに。
アサザ基金は、霞ヶ浦河川事務所に水位上昇管理の中止を要望し、受け入れられ、同時に国土交通省も参加する形で
湖岸植生帯の大規模な再生事業が始まりました。
活動のかいあって、植生帯の復元が進み、2006年までにアサザが約1万u増加しました。
アサザにとどめをさす水位上昇の再開
ところが、国交省は、2005年 冬に水位上昇させる試験を、私達の反対を押し切り再開。
それと同時に、それまで2000年から1万u回復していたアサザ群落は次々と消滅をはじめました。
2009年ボランティアによって再生した約1万uのアサザ群落が消滅しました。
2000年当時と同様に、アサザ群落が絶滅寸前の状態になっています。
1996年〜2000年の1回目のダメージですでに衰退が進んでいたアサザに、2回目のダメージが加えられていることは、
まさにアサザにとどめをさすのと同じです。
小美玉市浜アサザ群落(同じ場所です)
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| 2005年 |
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2009年 |
アサザ基金は、水位上昇管理の中止を求めています
水位を上昇させる必要は、現在ありません
この水位上昇管理は、将来見込まれる水需要のために実施されているもので、
現在の水需要に対応したものではありません。
実際に、将来の水需要予測はすでに下方修正され、現在は水余りの傾向にあることを行政も認めています。
つまり、湖の水位を上昇させる必要は少なくとも現在全くないのです。
河川事務所は、植生帯の保全に配慮して水位管理を実施していません
霞ヶ浦開発事業の運用規則において、水位の管理は植生帯の保全に配慮して実施することが定められています。
霞ヶ浦河川事務所は水位上昇管理の影響を評価する「霞ヶ浦湖岸植生帯の緊急保全対策評価検討会」
を開催してきましたが、湖全域で進行するアサザ群落やヨシ原の減少を過小に評価し、
必要な保護措置についても検討を行ってきませんでした。
そこに出席している研究者はほとんど責任を果たしていません。
税金も無駄遣いしています
波が高くなり、堤防の侵食が進む恐れがあるとして、湖の中に石を積み上げた消波提工事を何十億円もかけて行っています。
石積み消波堤による環境破壊が進められています。

石積み消波提
このように、霞ヶ浦河川事務所は、長年たくさんの人々の善意と努力の積み重ねによって再生しつつあったアサザ群落をはじめとした
植生帯を、現在は需要見込みの無い水量を確保するためと言って、水位を上昇させることで、破壊し続けています。
私たちは、このような硬直化した行政を放置することは、自然環境の破壊のみならず、
財政的にも今後国民に対して膨大な負債を負わせることになるだけだと考えます。
国交省は、今年も水位上昇管理を行っており、2月〜3月くらいにピークを迎えます。
この水位上昇管理によって、アサザは絶滅してしまうかもしれません。
私たちは、霞ヶ浦の水位上昇管理の中止を求める要望書を提出しています
水位上昇管理の中止を求めて、国交省や環境省に要望書を提出しています。
2009年 10月28日提出
2009年 11月13日提出
2009年 12月25日提出
2009年 12月25日提出
2010年 3月 4日提出
霞ヶ浦の水利用と湖岸植生等水辺の共存に関する質問書(PDF)
資料集(PDF)(資料番号はしおりをご覧下さい)
もし応援してくださる議員や政治家をご存知の方がいらっしゃいましたら、私達に紹介してください。
これまで約1万人以上の小中学生や市民が湖で植付けきたアサザを絶滅させるわけにはいきません。
美しいアサザの花畑を復活させ、霞ヶ浦にさまざまな生きものが暮らす豊かな湖になるよう、
これからも要望をし続けていきますので、よろしくお願い致します。
→アサザ基金のホームページへ