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| ウナギへの期待 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 霞ヶ浦生態系研究所 濱田篤信 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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1 はじめに 海夫が霞ヶ浦北浦の舞台に登場し、霞ヶ浦で漁業や舟運に従事するようになるのは平安時代末期である。海夫によって築かれた「津社会」は、以来、江戸時代の「霞ヶ浦四十八津、北浦四十四ケ津」による入会の自主運営の時代を経て現在の私たちに継承された。その間、海夫がもたらした技術や文化が基礎となって霞ヶ浦北浦と人との豊かな関係が維持され繁栄がもたらされた。これが霞ヶ浦周辺地域社会の原点である。したがって漁業の消滅は霞ヶ浦北浦周辺の地域社会そのもの、あるいはわたしたち自身のアイデンテイ―の喪失であり受け入れ難い事態である。霞ヶ浦北浦の漁業を継承しなければならない理由がここにある。 2 ウナギ復活への期待 開発に先立って霞ヶ浦総合開発事業の影響で漁業は大きな影響を受けることが予想され遡河性魚類、塩分を必要とする種は生産が途絶えるとして、また水位低下による生産減にたいしても補償金が支払われた。生産の持続は困難と予測されながらいまだに生産が維持されているシラウオやイサザアミの生産が維持される一方で、26%減と予測された漁獲量の減少は2003年には実に92%減にまで落ち込んでしまった。そうした漁業存続が危ぶまれる危機的状況の中で救世主と考えられる対策はウナギである(効果は25000尾放流あるいは遡上で水揚げ5トン、久保田 内水面水産試験場報告32,36-42,1997)。漁業補償によって問題は解決済みと片付けることもできる問題かもしれないが、漁業補償妥結時の協定書には問題が生じた場合には両者話し合うという内容であった。いま、正にその時期を迎えている。 3 ウナギの遡上特性 今春は霞ヶ浦でスズキの稚魚が数多くとれた。最近は、アカエイ等の海魚の捕獲も報告され、下流域から湖内への汽水魚・海魚の進入が活発になっている。その原因は常陸川直下下流が、高塩分になっていて海が霞ヶ浦北浦に近づき遡河性魚類の遡上しやすい条件が備わってきたことを示唆している。しかし、ボラ、スズキが比較的多く遡上しているのに対しウナギの遡上、したがって漁獲量が増えていないのはなぜか。それはシラスウナギの以下の遡上特性にあると見られている(加瀬林1960霞ヶ浦北浦水産事務所報告6,65-78、鈴木健二私信)。 ボラーーーーー昼間の満潮時、特に夕方の満潮時に大群で岸寄りを遡上(2〜3月) ウナギーーーー日没から夜間、上げ潮時に沖側を遡上(1〜3月) 4 対策案の検討 ボラの遡上促進に成功しているので上記ウナギの遡上特性を勘案した短期間の水門操作がベストと考えられるので、ぜひ、そうした方向で水門の管理を国にお願いしたい。常陸川に遡上した海水は、萩原の水門を通して利根川へ排水し流下させ水利用に影響を与えないような管理はできないであろうか。またシラスウナギ専用の可動式魚道設置によるシラスウナギ遡上量や資源量の合理的管理による漁業活性化案の検討が考えられる。いずれしても県民あるいは国・県・市の理解を得て初めて可能な事業である。これを機会に理解を戴ければ幸いである。 |