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里山ランドスケープの創造 〜21世紀型の魅力ある里山管理とは?〜 |
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2003年1月13日 森林総合研究所 環境計画研究室長 香川隆英 |
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0.はじめに 1.多様な里山景観をつくりだす 2.森林浴コースを整備する 3.里山で環境教育を行なう 4.里山資源の新たな利用 5.粗朶採取による里山伝統景観の再生 |
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0.はじめに そもそも私がアサザ基金と初めて関わったのは、どういうきっかけかということを思い返してみたい。アサザ基金はアサザプロジェクトにおいて、霞ヶ浦の広大な流域を、空間も組織も壁を取り払って環境保全・再生しようとする壮大な計画を実行に移しており、そのことに共感したのが、始まりであったと記憶している。 我々の研究対象である里山の空間づくりを行なっていく際にも、その空間と組織の垣根を越える視点は不可欠なものであった。里山は、谷津田とそれを取り囲む樹林地、水路やため池、畦や草地あるいは集落が一体となって形成されている空間である。また、その下流に位置する都市との人的交流や水源としての上下流の関係などが近年は重要になっている。 こうした空間の連続性は、行政や民間等の組織においては、関係機関が一体となったシンプルな対応が困難で、結果的に空間がぶつ切りにされて関与されてきた。そのため、流域レベルの環境保全や上下流を通じた管理・活用には至らないのが常であった。 このような現代の構造的問題を、アサザプロジェクトはまるで一気に解決するかのように見せているところが最大の魅力であり、同時にプロジェクトの困難性でもある。 以下に本編の概略を示す。 1.多様な里山景観をつくりだす ここでは、里山景観を最終的にどのような森林の姿に持っていったら良いのか、その目標像をまず示し、そのための過程について説明を加えてある。 代表的な里山景観として、コナラの大径木林、落葉広葉樹二次林、大径木人工林、スギ・落葉広葉樹混交林を取り上げた。 また、「里山の萌芽林景観を市民参加で保全する」では、アサザ基金の里山保全活動について報告した。里山の歴史景観であるコナラ・クヌギの萌芽景観を、粗朶を採取してそれを霞ヶ浦の消波施設に活用することで維持・管理していく取り組みや、同様な資源活用によりコナラ・クヌギの高木林を作り出していき、リンドウなど多様な植生景観を演出する活動など特筆できる。 2.森林浴コースを整備する 森林浴コースの整備は、動線設定、サイン計画、視点場の演出、五感で楽しめるコースづくり、子供たちが体感できるコースづくりなど、人々が快適に森林浴ができ、しかも森林の景観や五感体験を多様にするための仕掛けについて説明してある。 3.里山で環境教育を行なう ここで報告してあるのは、アサザプロジェクトの活動である。 学校ビオトープは既存の校庭のアカマツ林を活用しながら、森と一体にデザインした事例、環境教育の授業では、地元の人々に地域の歴史景観を紹介してもらいながら、現在の自然景観を一緒に考察する事例、学校林づくりにおいて、ドングリ拾いから子供たちが関わり、ビオトープ周辺の林を時間をかけて育成していく事例、里山環境を芸術を体感する空間として利用することで、屋内空間以上に快適な文化体験ができる事例など多様な環境教育のあり方を示している。 4.里山資源の新たな利用および5、粗朶採取による里山伝統景観の再生 ここでは、アサザプロジェクトによる新たな里山資源活用への挑戦を報告してある。 繁茂したアズマネザサが、関東の平地林を利活用する上で最も障害となっており、それを刈り払い、その後採取する雑木の粗朶で間伐材の枠組みを満載し、消波施設を霞ヶ浦に作る。この消波施設はコンクリートや石積みより、湖の風景と調和しており、さらに役割を果たせば自然に風化し、消えていく特徴を持つ。したがって、自然生態系にも優しい施設である。 このような里山資源の新たな活用は、里山の復元や湖の環境保全に働きかけるだけでなく、伝統的な景観をも創造する。アズマネザサや混んだ上木を間伐することで、オミナエシやキキョウなど現在ではほとんど見られなくなった、秋の七草など伝統的な植物景観が再生されるのである。 |
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1.多様な里山景観をつくりだす ●コナラの大径木林を目指したランドスケープ 里山ランドスケープとして、コナラの大径木林を目指す。現在の里山の多くは、放置されたコナラ萌芽林なので、できるだけ手を加えずに質の高い森を作る。最終的な姿は、100年生で100本/haの森。外景観(森の外から見る経過)として、色彩豊かで、また内景観(森の中での景観)として明るく、アクティビティの高い森となる。森の印象は、柔らかく暖かいが、壮大である。(詳細についてはこちら(PDF)) ●落葉広葉樹二次林を目指したランドスケープ 種の多様性の高い、多くの樹種からなる落葉広葉樹二次林景観を目指す。コナラ・クヌギにヤマザクラ、コブシ、シデやカエデ類が混ざる多様で柔らかい景観。林床もツツジ類や花の美しい草本が多い。最終的な姿は、40〜50年生で500〜700本/ha程度の森。外景観として、四季を通じて美しく、内景観としても色鮮やかで多様性の高い森となる。(詳細についてはこちら(PDF)) ●大径木人工林を目指したランドスケープ―人工林との共存の一例― 里山にも、スギやヒノキを植栽し、既に立派な人工林景観を呈している場合がある。このような里山では、無理に広葉樹林景観を作るのでなく、現在の人工林景観を育むことも大切である。里山の人工林では、まず大径木林を目指す。大径木林にすることで、神社の参道並木のような神聖な趣が得られる。ここで重要なのは、林内が明るくなり、下層の低木・草本類の多様性が増し、林内ランドスケープ・生物多様性が高まることである。最終的な姿は、100年生以上で100〜200本/haの森。景観の特徴は、壮大さ、林床の多様性である。(詳細についてはこちら(PDF)) ●スギ・落葉広葉樹混交林を目指したランドスケープ管理−人工林との共存の一例− 里山ランドスケープでは、旧来の薪炭林にスギ・ヒノキなど人工林が混在している事例が多い。単木的に混在したり、林分として隣接・混交したりしている。里山が都市に近接している場合、都市住民はランドスケープとして落葉広葉樹林を望むが、里山の所有者等旧来からの住民は植栽したスギ・ヒノキを尊ぶことが多い。この場合、どちらを可とするのでなく、スギ・ヒノキと落葉広葉樹の混交林を目指す。目標は、伐期100年超の大径木混交林とし、落葉広葉樹も用材生産を目指すような資源管理を行う。外景観は多様で、内景観は壮大な森となる。(詳細についてはこちら(PDF)) ●里山景観と伝統文化の調和
●里山萌芽林景観を市民参加で保全する
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2.森林浴コースを整備する ●視点場づくり
●五感で楽しむコースづくり
●ふれて楽しめる森づくり
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3.里山で環境教育を行う
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4里山資源の新たな利用 −ソダ消波施設− ●里山管理の大敵、アズマネザサ
●市民参加でササの刈り払い
●アズマネザサの活用は?
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5.ソダ採取による里山伝統景観の再生
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