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輸入コイが原因と見られるウィルス感染症によるコイの大量死に関するアサザ基金の見解 −本文 |
| 輸入コイが原因と見られるウィルス感染症によるコイの大量死に関するアサザ基金の見解 |
2003年11月6日 NPO法人アサザ基金 代表理事 飯島 博 |
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輸入コイが原因と見られるウィルス感染症で、霞ヶ浦の養殖コイが大量死している問題が全国に報道されています。私達はこのような状況が、十分な原因究明のないまま広く一般市民に知られることによって、霞ヶ浦の水産物全般に風評被害が生じることを懸念しています。今回問題になっているコイヘルペスウィルス病はすでに1997年にはイスラエルでの発生が知られており、その後も2001年にはインドネシアや台湾をはじめアジア各国で被害が生じていたと聞いています。ところが、国が水産資源法に基づきコイの海外からの輸入を禁止したのは今年の7月でした。このように国の対策があまりにも遅すぎたことが、水際での発生防止に至らなかった原因と言えます。同時に、茨城県は霞ヶ浦のコイ養殖が国内生産の50%以上を占める重要な地場産業であるにも関わらず、国の対応に任せて積極的な予防措置を怠り、今日の重大な事態を招くことになりました。今回の大量死の原因がウィルス感染にあることが明らかになれば、予防処置を怠った行政の責任は免れないでしょう。県は補償により対応する方針のようですが、補償は一時しのぎにすぎません。抜本的な対策を講じなければ、霞ヶ浦の漁業の未来はありません。 さらに、今回のウィルスによるコイ大量死は、魚類の海外からの移入がもたらす危険性を示唆するものとなりました。コイのみならず外来魚等の移入は、外来魚による在来魚への捕食圧のみならず、新たな病原ウィルスなどを国内に持ち込み、今回のような重大な被害を在来魚にもたらす危険性を含んでいることを、知ることとなりました。 感染症蔓延の危険性は、ブラックバス等外来魚の再放流についても指摘できます。ルアーによって何度も傷を付けられ感染症に罹りやすい状態にある魚が湖内に増えることが、将来他の魚種にも及ぶ重大な感染症の蔓延につながる可能性を否定できません。 私達の外来魚対策に対する再三の要望について、消極的な姿勢を示してきた茨城県は、今回の事態を重く受け止め、輸入コイのみならず外来魚が引き起こす恐れのある問題を再認識して、抜本的な対策を講じることを求めます。 今回の異常事態を受けて、茨城県がこのまま霞ヶ浦の環境改善に向けた抜本的な対策を打ち出さなければ、霞ヶ浦の水産物への信頼の回復は難しくなるでしょう。漁業者の多くからは、今回のコイ大量死はウィルス感染のみならず水質汚濁による複合的な原因によるものという意見が挙がっています。すでに、大量死が起こる数ヶ月前から湖内では赤潮が発生するなどの異変が起きていました。 このような状態を改善するためのひとつの方法として、逆水門の柔軟運用を強く求める声が以前にも増して大きくなりつつあります。私達は逆水門の柔軟運用が可能であることを、具体的な案を示して茨城県や国交省に提案してきました。私達の提案は国会でも再三採り上げられ各方面から高い評価を得ています。また、提案を受けた国会議員団の視察には、関係省庁も参加して、逆水門の柔軟運用案を具体化する方法を検討し始めています。逆水門の柔軟運用に向けた条件は少しずつ整いつつあります。 このような状況を踏まえて、茨城県は今こそ逆水門の柔軟運用に向けた動きを始めるべきです。逆水門の柔軟運用は、湖の水質改善が期待されるばかりではなく、ウナギやスズキなどの有用魚種の湖への導入を可能とすることで「捕る漁業」の復活にもつながります。 そもそも、霞ヶ浦でのコイ養殖は、逆水門締め切りによる漁獲の激減を受けて茨城県の指導によって「捕る漁業」の代替として振興されたものと聞いています。しかし、今回の感染症によりコイ養殖業者は大きなダメージを受けることになりました。このことは、養殖にのみ依存した漁業の危険性を示すものです。 私達は、逆水門の柔軟運用によって「捕る漁業」を復活させることで、漁業経営の安定化を図ることを提案します。また「捕る漁業」の復活は、魚という形で湖内のチッソやリンを効率良く取り出すという意味で、水質浄化にも大きく寄与するものと考えます。 茨城県は、今回のコイ大量死を契機に、逆水門の柔軟運用や魚類等の移入規制強化等の抜本対策を講じることで、霞ヶ浦の水産資源に対する社会的信用の回復に務めるべきです。 私たちは、県に対し、下記につき要望しています。 要望項目 1.コイ大量死の原因究明を急ぐこと。 2.逆水門の柔軟運用を実施すること。 3.魚類等の霞ヶ浦への移入規制を強化すること。 4.傷ついた魚の再放流による感染症蔓延を予防するために、ブラックバス等の再放流を 禁止すること。 本件に関し、12月6日までに茨城県知事あて回答を要望しております。回答入手しましたら、 ホームページにてお知らせいたします。 〒300−1233 茨城県牛久市栄町6−387 でんわ :029−871−7166 ファックス:029−871−7169 |