京都ハグロトンボの道・涼のネットワークづくりの流れ

 

京都市内では都心でもハグロトンボの姿を見ることができる。
     

それは京都が山々に囲まれ、それらの山々から都心部に向けて

川が流れ込んでいるため。
     

都心と山々が川(生きものの道)で結ばれている都市のシンボル、
それが ハグロトンボ。・・現在ハグロトンボが見られる大都市はほとんどない。
     

かつての京都には川から市内にはりめぐらされた
ハグロトンボの道
あったのでは?
     

幼虫時期(ヤゴ)を水草のある流れの中で過ごしたハグロトンボは
成虫(トンボ)になると川から周囲の林かげのある涼しい緑地へと移動する。
ハグロトンボは涼のシンボル!
     

ハグロトンボの移動距離はおおよそ500mくらい。涼しい場所を求めて移動する。
     

鴨川を例にとれば川から約300〜400mの位置に御所(京都市中心部最大の緑地)
がある。さらに御所の周囲には寺社の緑地が点在する。
現在も鴨川沿いにハグロトンボが多く見られる緑地(寺の跡)などがある。
     

おそらかつては市内の多くの寺社の庭園にもハグロトンボが
見られたのではないか。
(昔ハグロトンボが見られたかどうかは寺社であれば古くからの聞き取りも可能)
     
いつ頃から寺の庭園でハグロトンボが見られなくなったのか? など
同時に市民や観光客等に昔ハグロトンボを見つけた場所や年代を
聞く(全国アンケート) 。
熱い日に涼しい木陰をひらひらと飛ぶハグロトンボの姿は
多くの人々の記憶に夏の思い出として残る(類似のトンボが少ない)
     

ハグロトンボは夏の強い日差しや暑さを嫌うトンボ(全身が黒い、羽黒とんぼ)なので、
涼(木陰や日陰、湿った土、涼風)を求めて移動をする。
     

昔のハグロトンボの分布図ができれば,
昔の京都の涼のネットワークが浮かび上がってくる。
     

鴨川などの河川(涼の拠点)を幹線に都心部に広がる涼のネットワーク
(ハグロトンボの道)を復活させることは
都市のヒートアイランド対策
温暖化対策と自然再生を一体化させる事業として展開できる。
ハグロトンボ(生きもの)が事業を評価する。 京都ハグロトンボの道



京都ハグロトンボの道
涼のネットワークづくりプロジェクトのすすめ方

 
ハグロトンボの分布の現状調査(市民アンケート) ※温度や景観など環境調査も行う。
     
かつての分布状況調査(聞き取りアンケートや古文書類) ※対象:市民、京都を訪れたことのある全国の観光客、寺社など。
     
目標設定 ○○寺の庭園にハグロトンボのいる景観を再生する。
     
川から○○寺までハグロトンボが移動するための道を作る。 ※各学区単位で総合学習の一環として行う。地域住民と専門家も総合学習に参加。
     
子ども達と地域の住民が一緒に道づくり(涼のネットワークづくり)を考える。  ※ 藤棚作り、学校ビオトープ、ポケットパーク、植木、打ち水、ヨシズ、屋上緑化、壁面緑化、冷房などの排熱の抑制など。
     
京都市内全体の温度を下げるための行動計画を作る。 ※ 冷房などの排熱量を減らすために、電力消費量や自動車交通量を抑制するなどの取り組みを通して、官民一体で地球温暖化の防止を行う。
     
各学区(地域コミュニティ)ごとに道づくり案を作り市内の小学校が合同で発表する。 地域住民や専門化も参加して地域の計画をまとめる。
     
それらの提案やデータを基に涼のネットワークづくりを市内全域で行なう。

 

まとめ

ヒートアイランド現象の防止には森林や土、水辺などによるネットワーク(面)を
作ることが有効です。同時に、都市全体の排熱量を減らす努力が必要です。

都市に涼のネットワークを作るためには人と自然を結びつけてきた
文脈を掘り起こし、現代の都市づくりに活かしていくことが必要です。

この「京都ハグロトンボの道・涼のネットワーク」は、
多くの人々にとって夏の思い出、風物詩として定着している
ハグロトンボをシンボルに、都市にかつてあった人と自然のネットワークを
掘り起こし、新しい社会システムとして再び創り上げ、
観光都市京都から「自然と共存する未来都市」のモデルを
世界に発信しようというものです。

このプロジェクトは都市全体を視野に入れた
ネットワーク型の自然再生事業として位置付けることができます。
都市に自然(生きもの)のネットワークと重なり合う社会の
ネットワークを構築することで、自然(生きもの)と対話する
都市という視点から地球温暖化の防止という環境問題に、
都市全体で取り組むことができるのではないでしょうか。

夏の風物詩、原風景の一つ・・・・ハグロトンボ
・複合的要素(自然的要素、文化的要素)を背景に生息する
・温度分布や風の道(生物の視点で評価)
・都市+河川+山地(森林)・・・連続した環境のシンボル

ハグロトンボとは  汚濁の進んでいない流れのある水辺、川や小川で水草(沈水植物)に産卵する。ヤゴやトンボは川を通して移動することができる。京都では市を囲む山々の森林から都心部まで移動できる。  トンボ(成虫)になると、多くの個体は川を離れ、周囲の林に移動して虫を食べて過ごす。真夏でも涼しい風通しの良い林の中に多く生息する。林がハグロトンボの移動可能距離内に点在していれば、それらの林を飛び石状に移動することが可能であると考えられる(ハグロトンボの道)。

涼 → 水と京  涼のネットワーク・・・ハグロトンボの道

ハグロトンボが、地球温暖化対策やヒートアイランド対策、

自然と共存する都市づくりを評価する。

   

                   【ネットワーク提案へ戻る】