谷津田の保全・再生に関するアサザ基金の見解−本文
社員環境意識啓発のための「体験型環境学習」との連携による
霞ヶ浦の重要な水源地・谷津田再生プロジェクト

〜石岡市東田中における酒米栽培〜

2004年2月19日
NPO法人アサザ基金
代表理事 飯島 博

0.はじめに
 アサザプロジェクトが以前から計画していた、霞ヶ浦の水源保全のための地酒造りが実現しました。谷津田は霞ヶ浦流域に広く分布していますが、農業の近代化や減反により荒廃が進み、水源の保全が急務となっています。
 今年から日本電気株式会社(NEC)社員の皆様が中心となって、東田中の谷津田での酒米の栽培に取り組みます。周囲の環境や地元の人々との交流を活かした体験プログラムも提供予定です。

1. 実施内容・目的
 谷津田は最も早く水田がつくられた場所と言われている。2000年も昔から米作りが行われるようになったと言われ、農作業をはじめ、人々の暮らしに深く関わりながら非常に豊かな自然環境を育んできた場所である。
 しかし、休耕田化に伴う荒廃が進み、霞ヶ浦の重要な水源地としての機能も低下している。一方で、現在水田は環境学習の場所として非常に注目されており、特に都市部の人々の関心は高まっている。この自然環境を、企業社員及びそのご家族の自然体験型環境教育に積極的に活用すると同時に、霞ヶ浦の重要な水源地である谷津田の再生をはかっていきたい。

2. 実施予定地の環境(石岡市大字東田中字北ノ入)
 江戸時代(1681年)の古地図に既に記載されているため池と谷津田であるが、現在は、完全な荒廃水田(藪化)。谷津中央部より下方は三面張り水路になるものの、実施予定地の周囲には土水路が残っている。豊富な湧水に恵まれ、アサザ基金スタッフによる事前調査ではマシジミや多数のカワニナ、メダカ、オニヤンマのヤゴなどが確認されており、霞ヶ浦流域でも殆ど見られなくなってしまった極めて良好な谷津の環境が残されている。周囲の森林にはオオタカ(茨城県危急種、RDB絶滅危惧U類)、フクロウ、サシバ(鷹の一種)などの生息が確認されている。地元の人々にとっても極めて貴重な環境を有していることから、石岡市などとも協力して人々の交流も含む形でプロジェクトを進めていきたい。

3. 実施方法
・ NEC社員が中心となって酒米を栽培する(できる限り無農薬、無肥料をめざす)。
・ 収穫した酒米を白菊酒造(石岡市大字高浜871 TEL:0299-26-4131)に持ち込み、オリジナルのお酒をつくる。
・ 単なる稲作体験のみならず、生きもの観察や炭焼き、栗ひろい、柿もぎなど、周囲の環境や地元の人々との交流を活かした体験プログラムを、年間を通じてアサザ基金が提供する。


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