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霞ヶ浦田村・沖宿・戸崎地区自然再生協議会への提案 2005/11/27 |
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霞ヶ浦の田村・沖宿地区(土浦市・かすみがうら市)で、国交省により計画中の自然再生事業に関する協議会(自然再生推進法に基づく)が昨年から定期的に開催されています。
この協議会では、アサザ基金は開催当初から自然再生事業のもっとも重要な課題として湖の水位管理と逆水門の管理について議論をするべきであるという主張を行ってきましたが、主催者側は「田村・沖宿地区に限定した議論を行いたい」という姿勢を終始変えようとせず全体構想の採択にまで至ってしまいました。 昨年11月開催の協議会では飯島代表が出席し、基本計画に水位管理の問題等が一言も入っていないことを指摘して、水位管理によって生態系の破壊が起きたことを全体構想に明記させることができました。 同時に、協議会に対して生態系に配慮した水位管理の実現に向けた具体的な提案として、「管理目標水位の設定」を行う方法を具体的に示した提案書を提出し、会議の中で趣旨説明を行いました。 提案書 2005年11月27日 NPO法人アサザ基金 代表理事 飯島 博 11月13日に行われた霞ヶ浦自然再生協議会の勉強会「テーマ・水位管理」では、湖の水位管理に関する議論を深めることができました。その中で、いくつかの重要な点が明らかになりました。もっとも重要な点は、管理目標水位が予め数値によって定められたものではなく、当時の総合的な状況判断によって設定されていたということです。さらに、重要な点は、管理目標水位設定のための判断材料に自然環境への配慮が盛り込まれていたことです。管理目標水位の設定にあたり自然環境への配慮が重視されることは、「霞ヶ浦開発施設に関する施設管理方針」(以下、管理基本方針)の第3条に第1項には「この施設の操作は常陸川水閘門の操作と一体となって、次に定めるところにより行うものとする。この場合において、湖岸の動植物等霞ヶ浦の環境の保全に十分配慮するものとする。」と明記されているとおりです。 1995年当時には、利水上限水位の運用による自然環境への影響を懸念する指摘があり、霞ヶ浦工事事務所は自然環境への配慮として管理目標水位を設定し、その理由を「ヨシを主体とした植物の生育期、開花・結実期である4月から10月中旬は、YP1.1mを中心として管理を行います。」(建設省関東地方建設局・水資源開発公団1995年10月)と説明しています。このように管理目標水位に植生帯の保全への配慮を盛り込んだことは評価されますが、このような設定を行うにあたり十分な科学的根拠は示されていませんでした。 1996年から上記の自然環境への配慮を盛り込んだ管理目標水位に基づく管理が霞ヶ浦開発事業の運用として実施されたわけですが、2000年までにアサザ群落などの植生帯が急激に減衰するという事態が生じました。植生帯の減衰の原因として、冬期の水位管理に問題があることが予測されたため、予防原則に基づき、冬期の管理目標水位YP1.3mがYP1.1mに暫定的に変更されました。2000年以降も植生帯の保全再生(自然再生)を目的にこの暫定的な水位管理が実施されてきました。ここで重要なことは、一度設定された管理目標水位が、管理実施後の状況を見て、より環境に配慮した管理を実現するために暫定的とはいえ柔軟に変更されていることです。さらに、自然再生事業(植生帯復元事業)と一体のものとして、自然環境に配慮した水位管理が実施されてきたという実績がすでにあるということです。そして、関係機関によるこれらの実績は評価されるべきものと考えます。 このようにこれまでの経緯を見ても、霞ヶ浦河川事務所と水資源機構はその時々の状況を見ながら、とくに自然環境への配慮や自然再生事業の一環として、管理目標水位の設定や暫定的な水位管理等の柔軟な対応を実施してきたことが理解できます。 しかし、現在行われているYP1.1mによる通年管理によっても、植生帯の減衰が継続することが、研究者から科学的な根拠に基づき指摘されています。水位管理にあたっては、今後も科学的なデータに基づく新たな対応としての順応的な管理が必要となっています。また、順応的管理は自然再生事業の中でも重要な要素として位置付けられています。 私はこのように治水利水と自然環境保全のそれぞれに配慮した管理目標水位の設定を、今回の自然再生協議会を契機により科学的な根拠に基づく総合的な判断(治水利水、自然環境保全)が可能な状況へと発展させることを提案します。 1997年に作られた茨城県の長期水受給計画は見直しが行われ2年後に改定となります。水需給計画の見直しが行われるこの時期に合わせ、利水関連の最新データと共にこれまでに蓄積された生態学的な知見を盛り込んだ形での管理目標水位の設定を、自然再生事業の一環として位置づけ、協議会としての提案(提言)としてまとめることは、今回のみならず今後の自然再生事業を霞ヶ浦・北浦で実施していく上で極めて価値のあるものと考えます。 自然再生協議会には、国の関係省庁や県、関係諸団体が参加しています。自然再生の目標づくりに水位管理は欠かせない要素であることは、これまでの協議会の議論によって共通認識となっています。これらの経緯を踏まえれば、自然再生協議会は自然再生事業の視点を盛り込んだ実現可能な管理目標水位のあり方を議論し多様な主体の意見を反映した提案としてまとめ、関係機関に提言していくことのできる最適な場であると考えます。 以上の提案を自然再生協議会の主催者ならびに全参加者に致します。ご検討頂くようお願い申し上げます。 以上 |
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