1月14日のアルバム
北ノ入たんぼや鉾田の協力水田でとれた「日本晴」から900kgの玄米を日本酒に仕込むことになりました。
今年は収量がかなり落ちましたが、米粒は充実しており、日本晴を使った酒では昨年度より質の高い「特別純米」に挑戦する事になりました。普通酒に比べると、かなり手間がかかります。酒母(もと)も米から 作ります。
今回の行事では、汗水垂らして作った大切なお米を酒にする為の準備をし、作った米や大豆を利用して味噌を手作り、伝統的な農作業に伴った松の内明けから二十日正月までの地域の正月行事(七草、ならせ餅、小豆粥)を体験して、本年の豊作と農作業の安全を願います。
【1】
神事の始まりです。蔵の入口に祭壇が築かれ、御幣や米、野菜、酒などが供えられています。昨年も神事を行っていただいた東大橋の香取神社の宮司さんが、” 荒れた田んぼを再び耕して、水を育み 生き物たちがよみがえる・・・・”田んぼ作りプロジェクトの物語が織り込まれた祝詞をよみあげ、白菊酒造、NEC、アサザの関係者代表が玉串を捧げて神事は終わります。
【2】
複雑な酒造りの工程見学も行われました。白菊酒造の廣瀬さんの案内で酒造りの旅が始まります。
米を蒸し上げる工程がここ、釜場で行われます。
右側に白い布がかかっている大きな「甑(こしき)」が見えます。ここで米が蒸されます。
【3】
蒸した米は適温まで冷まして、麹作りが行われます。厳重な扉がついた「麹室(こうじむろ)」壁には電熱線が貼られて麹に適した室温に制御されています。酒母(もと)は別な部屋で作ります。約二週間後、できた麹や酒母、蒸して適温まで冷ました掛米を仕込みます。因みに、今回はの巨大な桶(タンク)は使っていません。これは通常の業務用です。
【4】
できあがったもろみを絞って清酒にする「槽(ふね)」。ひだのような所が板で仕切られた部屋になっており圧搾空気で圧力をかけてしぼり、清酒と酒粕を分けます。
製品では、さらに濾過や火入れ、瓶詰め
などの工程が続き、ラベルを貼って包装してできあがりです。
【5】
蔵では製品の試飲もあります。蔵でしか味わえない非売品も。好みの味の酒をおみやげにお買いあげいただきました。
【6】
さて、こちらは味噌作り。大豆は前日から煮て、凍らないよう毛布で保温しておきました。豆は北海道産の有機大豆。畑で作った大豆も含まれています。冷えて硬くなるのを防ぐことと、冷たいと作業がつらいという事から朝に再加熱。でも、ちょっと熱い!約30kgの豆が煮え上がって60kgほどに膨らんでいます。 煮汁を切って会場に運びます。
【7】
本日の講師の地元味噌蔵「小倉味噌店」小倉崇稔さんに味噌作りの説明をしていただき、お待ちかねの「手作り味噌作り」の始まりです。手作りの味噌作りを守っている小倉味噌店の秘伝ともいえる技がさりげなく参加者に伝えられています。
【8】
まだ熱い豆を手早く計量。このとき、小倉さん秘伝の配合に従い、半分をやや辛口の味噌、半分をやや甘口の味噌になるように計り分けます。同様に、北ノ入米から作った麹(こうじ)やNEC特撰の内モンゴル産の良質の岩塩も計り分けました。
【9】
まずは大豆から手でこねてつぶします。これが結構大変。意外に力が要ります。良くこねても粒が残ってしまいますが、小倉さんによると、実はこれが、おいしい味噌を造る秘訣とか。不均一な材料の中で様々な発酵の反応が起こることで、より複雑で深い味わいを形成してくれるそうです。
【10】
大人も子どもも、大豆つぶしの豆コネが、 なぜか不思議とだんだん楽しくなってくるのです。おおよそ豆がつぶれて、全体がまとまって来たら、計っておいたこうじや塩を合わせます。こうじは、発酵により豆のタンパクをアミノ酸に分解し味噌のうまみを作り出します。塩は、そのものが味わいであると共に、発酵を制御し、雑菌の繁殖を押さえます。種を4っつの山に積みました。2つはやや辛口、2つはやや甘口の味噌の種。
熟成後の味噌の見本を味わって好みの味の味噌種を少量持ち帰りました。
【11】
残りの味噌種は、味噌樽に詰められて夕方には小倉味噌店にたどり着きました。これからしばらく、味噌蔵の中で修行を積み夏の草取りのころにはすばらしい味噌に成長して田んぼに現れてくれることでしょう。それまでは小倉師匠に育てていただくことになります。
【12】
昼には小倉さん自慢の味噌の即売も行われました。甘めの白い味噌が人気です。
この地区でも、今はほとんど行われていませんが、かつては自家製味噌が盛んに作られていました。自家製の味噌はかなり辛い味のやや色の濃い味噌でした。家庭で甘塩で色の白い味噌を作るのは難しく、まさに味噌店ならではの逸品です。
【13】
味噌作りの皆さんには「七草」の行事を体験していただきました。
せり(セリ)、なずな(ナズナ)、おぎょう(ハハコグサ)、 はこべら(ハコベ)、ほとけのざ(タビラコ)、すずな(カブ)、すずしろ(大根)
カブとダイコンは畑で栽培する野菜ですが
後の5種は田んぼで結構苦労してNEC・アサザのスタッフで集めました。写真では大根も野生種のハマダイコン(銚子市産)を使用しているため、野性味のある姿をしています。
【14】
「七草は、正月の料理で疲れた胃腸を休めたり、冬の間貴重だった青い野菜を取る古来の知恵でした」と良く言われますが、これだけではありません。地元で
は
”七草夏菜 唐土の鳥が渡らぬ先にストトン ストトン”という「七草の歌」を歌いながら、まな板をトントンと軽快に音を立てて七草を刻む習慣がありました。これは、鳥追い(豊作の祈願)の意味があります。このとき同時に自らの健康も願います。
そう、七草を刻むところに最大の意味があるというわけです。
【15】
お楽しみの昼食です。北ノ入のお米を味わっていただきました。
コシヒカリに慣れると冷めてきたとき ぱさつくように感じますが、暖かいうちなら食味は良い米です。また、午前中に作った七草がゆ、小豆がゆも試食。1/7と1/15の行事を一緒に味わいました。
小倉味噌さんの味噌を使用したみそ汁、いずみ荘特製の霞ヶ浦のシラウオやテナガエビの天ぷらとレンコンの煮物を味わっていただきました。
【16】
午後は田園都市センターで寄せ書き作り。午前中は白菊酒造内でも行っていたので、たくさん集まりました。4合瓶の包装紙に印刷されて、皆さんのメッセージが酒と一緒に届く趣向になっています。
【17】
希望者による餅つきが行われて、ならせ餅用の紅白の餅と、試食用の餅の3臼をつきあげました。もう、イベントで何回もやっているのでうまくなったかな?
【18】
臼にしばりつけたナラの枝に紅白の餅を丸めて飾り「ならせ餅」にします。稲や繭の豊作を願う行事です。「繭玉」ともいいます。
樹脂製の紅白の玉の飾りをよく商店街などで見ますが「ならせ餅」を模したものです。
1/20に枝からはずして、雑煮にします。乾きすぎて砕けたものは、揚げ餅にするとおいしいです。
【19】
竹細工も行われました。青竹は前日に切ったものです。
子供さんにはなぜか皿が、大人には弦付きの花挿しが人気でした
【20】
今年の収穫に大切な「りっつおぅ」を作りました。わらないの基本技術なので、これが作れるようになると縄や注連縄がすぐにつくれるようになります。
りっつおぅ作りは、大切な農家の冬の作業でした。伝統的な方法で行う北ノ入の米作りでもとても大切です。