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霞ヶ浦についての本

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(登録日: 1997/08/08 更新日: 2024/04/07)

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はじめに


湖・霞ヶ浦とその周辺地域に関する本はたくさんありますが、ここでは、比較的入手しやすい本のうち、私がよいと思ったものをいくつかご紹介します。
 

『空から見た北浦・霞ヶ浦の釣り』


『空から見た北浦・霞ヶ浦の釣り』
編者・発行:茨城新聞社、1998年
(ISBN4-87273-112-3)

釣りブームを背景に脚光を浴びている北浦・霞ヶ浦の釣りの好ポイントを航空写真で紹介した本です。釣りのガイド本として役立つだけでなく、霞ヶ浦とその周辺地域を理解する上でも役立ちます。霞ヶ浦を地上から撮ったビデオ映像で詳細に記録する本サイト『マッピング霞ヶ浦*』と好対照をなし、たった一枚の航空写真で地域の状態を露にしてしまう航空写真の情報価値を再認識させられました。本サイトでは、この本の釣りポイントと対応させた「釣りの好ポイント」を編纂しました。
 

『ひとと湖とのかかわり―霞ヶ浦―』


『ひとと湖とのかかわり―霞ヶ浦―』
編者:霞ヶ浦研究会、発行:STEP、1994年
(ISBN4-915834-23-9)

霞ヶ浦の基礎理解を得るのに最適の本です。私の一番のお勧めです。160頁余りの本ながら、湖、生態系、生活、水資源、水質問題の各分野について、要領よく手短に各分野の専門家が解説してくれています。霞ヶ浦の問題を通して、水と人間とのより普遍的な関わりについても深く考えさせられます。
 

『霞ヶ浦、21世紀へ―世界湖沼会議の記録』


『「霞ヶ浦からの発信」I 霞ヶ浦、21世紀へ―世界湖沼会議の記録 1995〜96.6』
発行:常陽新聞社、1997年

1995年に土浦市を会場に開催された「世界湖沼会議'95」とそれに関連する情報を集めた大部な本です。「産業と霞ヶ浦」「世界湖沼会議をめぐって」「自主企画事業の記録」「霞ヶ浦をめぐる行政」「リサイクル、県地球環境保全行動条例をめぐって」という章立てからもわかるように、霞ヶ浦*の環境問題を行政との関わりを中心に整理してあります。情報が盛り沢山で読むのが大変かもしれません。
 

『霞ヶ浦の系譜』


『―有史以前〜現代― 霞ヶ浦の系譜』
著者:レイモン・アザディ、発行:筑波書林、1995年
(ISBN4-900725-12-9)

著者のアザディ氏は、『霞ヶ浦の魚たち』(筑波書林)などの研究成果も出版しています。霞ヶ浦*の歴史を年表形式でまとめたユニークな本です。よくここまで詳細に調べあげたものだと思います。恐れ入りました。
 

『写真集 霞ヶ浦―くらしと自然』


『写真集 霞ヶ浦―くらしと自然』
著者:山口ヒロナリ、発行:STEP、1994年
(ISBN4-915834-24-7)

霞ヶ浦の写真集は意外に少なく、その意味で貴重な一冊です。1970代から1990年代にかけての霞ヶ浦周辺の写真が収められています。写真を通して、霞ヶ浦と人との関わり、霞ヶ浦の変遷、四季の表情などがよく伝わってきます。一切の解説が付されていませんが、この写真集を見ると、想像の中で霞ヶ浦の在り日の姿が甦ってきます。人との関わりの視点が一貫しているからでしょう。
 

『霞ヶ浦風土記』


『霞ヶ浦風土記』
著者:佐賀純一、発行:常陽新聞社、1994年

土浦の開業医でもある著者が、昔の霞ヶ浦と生活を年長者に聞き書きして編纂した本です。「古老が言うことには…」で始まる『常陸国風土記』の語り口を髣髴とさせます。風土記とはそうしたものでしょう。明治時代から現代にかけての時代の変遷の激しさ、地域の栄枯盛衰の激しさを感じます。霞ヶ浦*の歴史では、高瀬舟や霞ヶ浦航空隊などの話が度々出てきますが、そうした時代は今となっては記録が極めて少なく、古老に語ってもらう以外に方法がなくなってしまいました。
 

『映画“米”とその前後』


『映画“米”とその前後』(ふるさと文庫)
著者:阿部克、発行:筑波書林、1989年

このページでは、霞ヶ浦全般に関する本のご紹介をしていますが、これはその意味では例外です。筑波書林の「ふるさと文庫」には、地方出版ならではの極めてローカルな話題を発見する面白さがあります。出島村(現在のかすみがうら市(旧霞ヶ浦町))でロケされた映画『米』については、私も『マッピング霞ヶ浦*』の中で度々触れており、このようなテーマの本が出版されていたことにいささか驚いたので、採り上げました。なるほど、そのようにして『米』ができたのかと興味深く読みました。ただ、かすみがうら市(旧霞ヶ浦町)以外の方には殆ど興味のない話題かと思います。筑波書林の「ふるさと文庫」シリーズには、他に『水郷の歌人たち』『水郷十六島の農民・上下』『霞ヶ浦の民具と生活』など霞ヶ浦に関するテーマの本がいくつもあります。
 

『水郷十六島の農民』


『水郷十六島の農民−封建時代の支配と生活−』(上下巻、ふるさと文庫)
著者:箕輪徳二郎、発行:筑波書林、1980年

水郷十六島の歴史を知る上では欠かせない本です。著者が古文書に当たって発見した事実や、当時の生活の推測などが披露されています。十六島の農民が、開墾の重労働を請け負わされたというのでは必ずしもなく、むしろ逆に農民が開墾を自ら望んで行っていたという事実は、封建時代の農民の知られざる側面を伝えてくれます。湖面や湿地が次々と陸地に変わっていた十六島開発の過程は、私には興味が尽きることがありません。
 

『口訳 常陸国風土記』


『口訳 常陸国風土記』(ふるさと文庫)
著者:河野辰男、発行:筑波書林、1978年

霞ヶ浦に関する最も古い記述は、おそらく『常陸国風土記』でしょう。奈良時代に上梓された『常陸国風土記』は、文学的にも高い評価が与えられた古典です。当時、霞ヶ浦はまだ太平洋の入り海で「流海(ながれうみ)」と呼ばれていたことが、この風土記からわかります。今の霞ヶ浦の姿を思い描いて、この風土記の記述を読むと、全然勝手が違うことに気づきます。その違いがわかるように、この本には当時の簡単な地図が添えられていて参考になります。『常陸国風土記』は、他にも何種類かの異なる現代語訳で出版されていますが、この「ふるさと文庫」版は最も値段が手頃です。
 

『茨城県史』


『茨城県史』
巻数が多く、個人が購入すると相当の金額になります。現在、各巻とも、茨城県立歴史館に注文して入手することができます。茨城県内の主要な図書館にはどこにでもあると思いますので、図書館を利用するといいでしょう。

「茨城県史」というテーマは、水戸に関する記述が極めて多く、その他の地域、とりわけ霞ヶ浦周辺地域は、かなり周辺的(peripheral≒末梢的)にしか扱われていない点は残念です。水郷十六島開発などの水郷の歴史に関しては、下総国、千葉県に属するためか、茨城県史では殆ど言及すらされていません。その中で、「利根川図志」を収録した「近世地誌編」は大変貴重な一冊となっています。
 

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