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(L版)「〔00/01〕2000年元日の霞ヶ浦」について

分類: (L版)〔00/01〕2000年元日の霞ヶ浦
(登録日: 2000/01/05 更新日: 2009/01/10)

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相対的な世界観を育む霞ヶ浦*空間


霞ヶ浦*の湖岸をめぐると人間は世界を常に自分がいる局所的な位置からしか眺めることができないことを実感します。この世に中心というものはなく、絶えず自分のいる地点を仮の中心として、相対的な関係で世の中を見ているわけです。少し場所を移動するだけでも見える風景は変化し、前後景の重なり方もまるで変わってきます。自分の慣れ親しんだ土地でさえ、対岸から見ると場所の特定が困難なほどに確信が持てなくなります。『マッピング霞ヶ浦*』の情報空間は、まさにこの世の相対性を顕在化させるために導入されたものであるとすら言うことができます。
 

撮影日: 1999/01/01 土浦入湖上(崎浜沖)


相対性原理の楽しみ方


「この世の見え方は常に相対的である。」これをここでは相対性原理と定義しましょう。相対的なものには空間的な相対性ばかりでなく、時間軸上の相対性、意味空間上の相対性といった、さらに奥深い相対性もあります。『マッピング霞ヶ浦*』におけるマッピングの真の狙いもこうした多軸的な相対性の理解促進にあります。霞ヶ浦*空間は、この世の相対性を実地見聞する上でも実に楽しい可能性を秘めた実空間です。この地点からは◯◯がこのように見えるのではないかという仮説を立て、実地検証をすることができます。

実は1999年の元日、霞ヶ浦の遊覧船からささやかな検証を試みてみました(→「〔99/01〕元日の霞ヶ浦遊覧」)。土浦入の最奥部の土浦港、桜川河口付近からは沖宿の岬、美浦村牛込の岬が重なり合って三又沖を見通すことはできないはずですが、少し沖へ出ると、岬が両側に開いて常陸利根川方向を見通すことができるようになります。さらに加茂〜牛渡沖まで進めば、美浦村の馬掛の段丘の先に浮島から常陸利根川へと続く対岸線が現れてくるはずです。数値地図を用いて3Dの地形図を描いてみることにより、このシミュレーションをすることもできます。しかし、周囲に殆ど山地がない霞ヶ浦*周辺の3D図は余りに単調で実地見聞による検証を行わないと、どうにも実感が湧いてきません。3Dシミュレーションでは補えないところにも霞ヶ浦*の相対性の楽しみがあるわけです。
 

南波さんによる「初日の出」おすすめスポット


偶然にも1999年の元日、私と似た観点から「初日の出」のおすすめスポットを導出し、これを実地見聞された方がいます。南波文晴さんがその人です(→「新日本奇行」)。この日は視界もよく、私が撮影した「〔99/01〕元日の霞ヶ浦遊覧」では土浦入湖上から常陸利根川方向までをはっきりと見通すことができました。この映像を撮影するよりも数時間早く、南波さんがかすみがうら市加茂の崎浜の岬から霞ヶ浦で最も美しい初日の出の風景を捉えました。霞ヶ浦の最も奥深い下流域から立ち上がる初日を見るには、崎浜の岬が最も適しているというのが南波さんの仮説です。南波さんは実際に現地に赴き、その風景を撮ることで誰もがわかるようにその正しさを立証したわけです。幸い、1999年元日の視界はよく、対岸線と初日の出の位置関係を確認できる画像情報が得られました。詳しくは、南波さんのページ「新日本奇行:霞ヶ浦で初日の出」を御覧下さい。
 

崎浜の岬から見る初日の出


奇遇にも南波さんから崎浜の情報をいただき、私も2000年の元日、崎浜で初日の出を見ることにしました。この企画「〔00/01〕2000年元日の霞ヶ浦」は、その情報がなければ、違う趣向のものになっていたかもしれません。崎浜は知られざる初日の出スポットですが、1999年の元日も、2000年の元日も何組かの方々が崎浜に初日の出を見に来ていました。このことは、「知る人ぞ知る」ことの証しでもあるのでしょう。残念なことに、2000年の元日は視界があまりよくなく、対岸線すら見えないことから、初日の出は見ることができたものの、対岸線と日の出位置の関係を画像に記録することはできませんでした。とは言え、初日の出そのものよりも、霞ヶ浦の夜明けの表情、霞ヶ浦ならではの夜明けの情趣は何にも替えがたいもので、この美しい風景を実際に見ることができただけでも満足以上の満足感がありました。よく考えてみれば、太平洋の水平線から姿を現す初日の風景は全国どこでも大差ありませんが、霞ヶ浦の初日の出風景には、霞ヶ浦特有の風物(湖上の竿、穏やかな波、漁船や鳥たちなど)が膠着していて、他では得られない独自の日の出風景になっています。できれば自然景観保全のため、また地元の方々の穏やかな生活を乱さないため、ここが観光スポット化しないことを願います。情報を寄せて下さった南波さんに感謝いたします。
 
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