キノコ調査のメンバーを募集します
ちょうど一年前から宍塚大池周辺のキノコ調査を始めています。
一年というのは、「先ずは小手調べ」といったところでしょうか。
毎月、第一土曜日の午前9時から昼まで、時によって午後まで、サンプルの収集とそのリストの作成を行っており、この一年間で約150種を特定しました。
実際に特定し、サンプルを収集したものが150種、ということです。
意図的に取り上げなかったもの、あるいは特定に至らなかったものを含めると、この倍くらいの種類のキノコを見てきたことになると思います。
キノコの分類に詳しい方はご存知かと思いますが、不明種が膨大だということですね。
実際、見た目の形態的な特徴だけで特定できる種は少なく、少しでも迷えば顕微鏡を使う必要があるわけですし、それでも、文献にあるものに正確に合致してくれるかどうか、非常に心許ない。
そのくらい、不明種が多いのです。
「日本のキノコには学名が付かないものが多量にある」という現状を、私自身はこの調査に参加して始めてまのあたりに見た訳です。
キノコについての本を読むにつけ、ヨーロッパに比べれば日本を含めてアジアは非常に菌の種類は多いらしいのに、日本ではその分類、つまり学名を与えて体系づける作業は充分に為されていないらしいことに驚きます。
一年を経て、このあたり、つまり、それを特定する時間も人手もなくて「意図的に取り上げなかった」あたりが非常にもったいない気がしています。
これは単純に人手が足りない、研究者がいない、ということです。
それは別にしても、例えばイタリアのポルチーニ茸(和名ヤマドリタケ)と同種と思われていたものが別種とすべきとされて、ヤマドリタケモドキとなったこととか、イグチ類には毒を持つものは無いと思われていたのに、新たにドクヤマドリという毒菌がみつかったとか、これはこの調査に参加して教えて頂いたのですが、ハルシメジ(シメジモドキ)は一種ではないかもしれないとか、有名な毒菌クサウラベニタケを含むこの類(イッポンシメジ科)には不明種が多数あってまだ収拾がつかない状態であるとか、マントカラカサタケには未だに学名が無いことなど、キノコの確認と分類については興味の尽きないものがあります。
調査の目的は「大池周辺のキノコ分布の実態」ですが、体裁はキノコの同定会であり、実態はほとんど、記録の取り方、サンプルの保存方法などを含めて、森林研究所の服部氏御夫婦を中心にしたごく私的な勉強会、乃至は研究会の様相を呈して来ており、キノコについて興味を持って調査に協力する意志がある方でしたらどなたでも、定期、不定期を問わず、ご参加頂きたいと思います。
私自身、単純に自宅の近くでキノコ狩りが出来る、という興味から独自に4年程大池に通って、一人ですることの限界を感じていた折でしたので、この調査に参加できたことは非常に好運だったと思っており、これは広く門戸を開いて頂くべきかと思いました。
ヨーロッパでは日本ほどキノコの種類が多くはない、ということもあるようですが、菌の分類はやはり進んでいるようで、それは分類学、博物学がその必要から学名というシステムを発明し、そこから植物学を創始した文化の底力なのでしょうか、キノコの同定会にほとんどの人が顕微鏡持参で自分のテーマとする分野を持って参加するということにもそれは現れて、その裾野の広さが「学」を支えているのだろうと思わされます。
何らかのテーマを持ってキノコにかかわっておられる方の御参加はそれこそ大歓迎ですが、そうでなくとも、キノコ探しに御協力頂く中から菌の魅力に取り付かれ、何らかのテーマを見出して顕微鏡持参の民間研究者への道に迷い込まれる方が出てくれればもっけの幸い、菌学の迷宮でともに遊んで頂きたく思います。
キノコは時に可憐、ときに妖艶であり、あるいは毒々しくも美しく、そしてある種のものは他に例えようの無い美味であり、森のもうひとつの華です。
そして「見た目にどれほど大きくともキノコは細菌である」という不思議を含んだ、一種特別な生き物でもあります。
キノコは、面白いですよ。
特別な都合が無い限り、毎月第一土曜日の午前9時、土浦市宍塚町・北乃一丁駐車場集合で行っています。
詳しくは、
私、中村 哲 か 宍塚の自然と歴史の会まで、お問い合わせ下さい。
宍塚の自然と歴史の会 1999-2000