土浦市女性模擬議会報告 2001/11/29


宍塚大池について
市の里山保全策を問う   

山根幸美

 土浦市の女性模擬議会が11月29日に開かれ、26人の女性模擬議員の1人として「宍塚大池の保全」について質問しました。10分間の持ち時間の中で、予め通告した質問を行い、答弁を受けて要望の形で再質問するものでした。以下に私の質問をできる限り再現し、答弁の要点を記して模擬議会の雰囲気をお伝えします。



 (質問)私は、20数年前「土浦の自然を守る会」に入って以来、霞ヶ浦や自然を守る活動に参加してきました。また、先だって「土浦市の環境基本計画を考える市民懇談会」にも加えていただき素案作りに参加しました。その体験に基づき、土浦市の平地林・里山保全について質問します。
 各戸配布の概要版にありますように、「生き生きと輝く人と環境にやさしいまち、土浦」が、今年度スターとした第6次土浦市総合計画の描く将来像です。今策定中の土浦市環境基本計画の(案)には「水と緑のまち、土浦」がうたわれ、「木漏れ日のもりに息づく里の営み」として里山の保全と生態系の保護が記されています。市は、平地林・里山の保全をどのように考えているでしょうか。宍塚大池のような里山が次世代に引き継がれることを望んで、その評価について4点ほど伺います。
 土浦市の森林比率は、県の冊子によれば7.6%(県「ふるさと茨城の森保全活用基本方針」平成10)です。緑被率は58.1%ですが、その多くは農地であり、宍塚ほどのまとまった緑地は他にありません。市の環境基本計画の(案)も、それを指摘しています。また、環境省や日本昆虫学会からも、生物多様性、生態系の豊かさの観点から重要地域に選ばれています。全国的に見て、また関東平野の中で都市周辺にある里山として極めて貴重であるということです。市は、こうした評価を受けとめているでしょうか。市長さんのお考えをお聞かせください。
第1の質問です。
 ここでは、宍塚の自然と歴史の会が多面的な活動を行っており、私は霞ヶ浦の保全につながる市民活動の一つとして評価されるべきであると、99年の第8回世界湖沼会議(デンマーク)および先日の第9回世界湖沼会議(琵琶湖)で発表しました。市長さんもお出でになったと思います。ここは、国指定の史跡「上高津貝塚」に代表されるような遺跡群も豊富に点在し、歴史的にも大切なところです。農業や人の暮らしに利用され、人の手で管理されてきた里山は先祖の知恵の結晶 まさに文化遺産と言えるものです。そうした考えから、会は、里山の暮らしと文化を聞き取り冊子にまとめています。また、地元農家の協力を得ながら 「田んぼ塾」「里山ふれ合い農園」「宍塚米のオーナー制」など様々な試みをしています。このような市民活動をどう受けとめていますか。積極的に行政と市民の協働ができる場であると思いませんか。また、農政との関わりは、いかがですか。
第2の質問です。
 土浦市市勢要覧に、「大好きな土浦ー新しい発見をさせてくれる宍塚大池」と宍塚小学校6年の宮沢恵さんが紹介しています。環境教育の場所として宍塚大池は最適です。これからの活かし方を考えているでしょうか。
第3の質問です。
 他の地域でも、例えば霞ヶ浦市民協会のリードで霞ヶ浦流域の平地林を育てようと、どんぐりの林づくりが始められています。このような活動をどう支援されますか。
第4の質問です。
 建築家黒川紀章氏は、「エコ・メディア・シティー」生態系を生かす都市づくり、生態回廊づくり(朝日2000.9.19)をアジアで進めています。霞ヶ浦から生態回廊が中心市街地に延び、回廊は歴史文化地区を経て上高津貝塚、宍塚大池へ、さらに筑波山へとつながるというのも、夢のある構想ではありませんか。アジア各地で先進的に取り組まれているこの構想の一翼を土浦市が担う可能性を、私たちは持っております。
 「第6次土浦市総合計画」に掲げられた、「ひと」と「まち」と「自然」の調和が、実現されることを期待して、土浦市の平地林と里山保全の施策を伺い、質問といたします。

 (市民生活部長答弁、要旨)山林や農地のあるものは、維持管理が難しく、荒れ地となっており、住宅や事業所としての開発対象となり得る。斜面に残る平地林は貴重な緑地であり、谷津田、清水、小川、湿地などの緑豊かな環境として、里山保全は重要である。そのために計画的な保全施策が必要である。一方、対象地は殆どが民有地であり、地権者の理解と協力、経済的負担が必要となる。これらを「地域の共有財産」として捉え、まちづくりの仕組みづくりをすることが必要である。策定中の土浦市環境基本計画にそって、自然保全に取り組みたい。

 (都市整備部長答弁、要旨)宍塚大池は、第6次土浦市総合計画に「自然を生かした公園整備を推進する」と位置づけられている。上高津貝塚ふるさと歴史の広場との連携をとり、ふれあいの場としての活用をはかり、道路などの利便性を考慮し、適正な諸機能を持たせることが課題である。つくば市との連携に配慮し、地理的優位性を生かし、教育文化の場としたい。

 (再質問:要望)宍塚大池の評価については市長さん、環境教育については教育長さんのお答えを聞きたかったので、後ほど個別にお聞かせください。市民生活部長さんの答弁に「共有財産」であるとの言葉がありました。昨年募集した「土浦自慢百選」、最近広報広聴課が作成した「つちうらくらし便利帳」にも宍塚大池は登場します。緑は、心のうるおいとしても大事なものですから、市はその価値を大いに認めていると言えます。
 県の「ふるさと茨城の森を守ろう」という冊子では、生産資源、文化資源、環境資源としての森を守ろうと呼びかけています。宍塚は、まさにそのようなところです。また生態系は、かたまりとして捉えなければ滅びます。湖沼会議でも、そのことが議論されました。いろいろ難しい課題はあるでしょうが、今ある自然、「自然力」を保全することを要望して質問を終わります。
(答弁は、メモと記憶による再現であり、おおまかであることをお断りいたします。)

(参照) 女性模擬議会の要旨は、広報「つちうら」お知らせ版(2001.No815) 1〜10頁に掲載

ご案内

<お知らせ1>霞ヶ浦研究会 第3回例会
1月12日(土)午後1:30〜4:00
場所 茨城大学農学部 (阿見町中央3ー21ー1 tel.0298-88-8672)
テーマ 霞ヶ浦湖岸帯の修復手法と課題
講師 宇多高明氏(国土技術政策総合研究所)・中村圭吾氏(土木研究所)

<お知らせ2>霞ヶ浦市民協会 連続シンポジウム「生物多様性」
1月20日(日)午後1:00〜5:00
 国民宿舎「水郷」
「しじみシンポジウム」
中井克樹(琵琶湖博物館)、稲葉修(阿武隈淡水動物研究会)、根本隆夫(茨城県内水試)、田中義之(三重大学)、升秀夫(筑波医療技術短大)、大久保裕司(霞ヶ浦市民協会)、萩原富司(霞ヶ浦市民協会)の各氏
 琵琶湖の報告と霞ヶ浦での現状をふまえて、討議します。


五斗蒔だより2002/1より


宍塚の自然と歴史の会 2002