どんなところ? 宍塚の里山
−茨城県土浦市−
この小冊子は、茨城新聞に1993年から94年にかけて30回連載された「宍塚大池の生き物たち」を書き改め、さらに連載では触れることのできなかった項目をつけ加えて、まとめたものです。
この小冊子は、私たち「宍塚の自然と歴史の会」の活動のなかで、必然的に生まれてきたものです。宍塚を歩くたびに、「このすばらしさを多くの人に伝えたい。」そんな気持ちが、茨城新聞の連載となり、この冊子となりました。つまり、宍塚の自然と歴史に思いを寄せる数多くの人々の情熱の結晶が形になったものです。
直接、執筆、イラスト、写真提供や編集に加わった人ばかりでなく、会のいろいろな行事や調査に参加し、多大な便宜を図ってくださった数え切れないほどの多くの人たち、さらに私たちの活動を暖かく見守ってくださった地元の方々の支えがあってこそ完成したといえます。(以上、あとがきより抜粋)
(この本は、「どんなところ?緑の島 宍塚大池」の改訂版として製作されました)
「どんなところ?緑の島 宍塚大池」を出版してから5年がすぎました。その間、人の暮らしと共に成り立ってきた里山の大切さが多くの人々に理解されるようになり、その保全についての議論が全国的に高まってきました。
「宍塚の自然と歴史の会」でも、この5年の間に、里山さわやか隊による保全活動、田んぼ塾、谷津田米のオーナー制、オニバスの里親、「聞き書き 里山の暮らし−土浦市宍塚」の発行など多くの分野で新たな活動が繰り広げられてきました。
そこで、残部も僅かとなったこの書物を、大幅に加筆し出版することにしました。宍塚大池は宍塚の里山の一部であることから、「どんなところ? 宍塚の里山」にタイトルも改めました。
里山は極めて豊かな生物層を育んだ環境で、子ども達が自然と触れ合う大切な場所であり、多くの人たちの心のふるさとです。幸い、宍塚では、保全活動が進んできましたが、将来にわたって環境を保全していくには、地域の方々の一層の協力と行政の力が必要です。
また、霞ヶ浦や筑波山と連携した環境の保全がなければ生物の豊かさを保つことができません。土浦市、県、国と地域住民が手を結び未来に誇れる里山環境の保全に全力を注ぎたいと考えています。
また、この本がそれぞれの地域の身近な自然を大切にする活動においてお役に立てたら望外の喜びです。ご意見、ご批判など遠慮なくお寄せください。(以上、改訂版あとがきより抜粋)
発行:2001年3月22日
全134ページ 頒価1000円
目次
自然
宍塚大池 一瞬息をのむ静けさ 変化ある昔ながらの環境 ---10
チョウ 雑木林に美しい姿 大切にしたい小さな命 ---12
トンボ 秋には無数の赤トンボ 多様な環境の組み合わせが生み出すトンボ王国 ---14
昆虫 数奇な運命ツチハンミョウ ファーブル昆虫記にも登場 ---16
カエル 七種が水辺に生息 自然の多様性測る目安 ---18
さかな 外来魚の世界 ドジョウやフナはどうしているか ---20
マシジミ 川で暮らすための戦略 環境変化を教えてくれる ---22
ほ乳動物 水辺にイタチの足跡 雪の上に残されるサイン ---24
鳥たちの子育て 野鳥育つ多様な環境 ピーピーと親にえさ催促 ---26
渡り鳥 春秋に見る風物詩 旅の羽休める大池の林 ---28
冬の鳥(1) 池の堤から 冬のバードウォッチングはカモから始めよう ---30
冬の鳥(2) 雑木林では 耳をすまして・・・冬の声が聞こえる ---32
大池のタカたち 生物の多様さを反映 食物連鎖の頂点に立つ ---34
里の植物 四季折々に咲き競う 野にあって美しい ---36
水辺 水面を彩る植物群 オニバスもクロモも健在 ---38
オニバス 絶滅の危機に ドラマチックな生涯 ---40
水田を作ることで保全 消える谷津田の植物 タコノアシって見たことあります? ---42
大きな木 生命の息吹を伝えて 緑の文化財ツルグミ ---44
雑木林 命あふれる林 1年中さまざまな生き物が ---46
こんもりと繁る森 鳥の目になって見た宍塚大池 大海に浮かぶ緑の島 ---48
絶滅する植物 環境悪化、人類に警告 未来につながる自然保護 ---50
解説 大池データ・活動スケジュール ---11
解説 チョウとガ ---13
解説 トンボ ---15
解説 薬になる虫 ---17
解説 カエル ---19
解説 ブラックバス ---21
解説 宍塚大池の小川で採れたマシジミの成長 ---23
解説 ことりの巣材 ---27
解説 鳥の声の「ききなし」あれこれ ---33
解説 大池で見られるタカのメニュー ---35
解説 カントウタンポポとセイヨウタンポポ ---37
解説 水辺の植物 ---39
解説 オニバスの里親 ---41
解説 緑の回廊 ---49
解説 絶滅危惧生物 ---51
歴史・文化
宍塚大池周辺の遺跡 台地に点々と残る暮らしの跡 豊かな自然に支えられた歴史 ---54
縄文時代 栗崎遺跡の縄文人 自然を大切にした暮らしにふれる ---56
ふるさと歴史の広場1 縄文人の世界をのぞく 上高津貝塚の丘 ---58
ふるさと歴史の広場2 謎の宝庫 ヒバリあがる丘 ---60
弥生、古墳時代の人々 栗崎遺跡に祭祀用品 筑波山の神々に祈り ---62
宍塚古墳群 水田開発進める中心 首長葬った前方後円墳 ---64
時代を遡れば 人が育て、人を育てた自然 谷津田は稲作文化の原点 ---66
食べる 宍塚大池つまみぐい 縄文人の目になって食べ物探し ---68
薬草を試してみよう 宍塚大池に見る身近な8種 花期のドクダミ ---70
聞き書き 植物篇 森に囲まれた水草が茂る池 どこにもあった日本の自然なのだが ---72
聞き書き 動物篇 キツネ・タヌキ・ウサギ 昔話の主役たち ---74
地名 亀の甲や勢至久保 人に親しまれてきた証し ---76
野仏を訪ねて 深い竹林に守られた阿弥陀堂 宍塚の信仰 ---78
むかし話 池の周りは聖域? 大蛇やお稲荷さまの伝説 ---80
解説 破壊される遺跡 ---55
解説 紡錘車 ---63
解説 ため池 ---67
解説 ドクダミ ---71
解説 ツルグミ ---73
解説 ムジナ ---75
解説 宝匡印塔 勢至様 猿田彦 ---77
会の歌 「初夏」 ---82
会の活動
いつでも観察会 自然の営みを肌で テーマ別やぶらり散策も ---84
自然教室を開催 子ども達が自然とふれあい 子ども部会 ---86
七草がゆ 味わうことも大切 自然損なわず注意を払う ---88
下草刈り 生き物育む場に 荒れた林がよみがえる ---90
池のハス ハスとハス刈り 生物たちの生育環境確保 ---92
さわやかな汗を流して 里山保全を実践 里山さわやか隊 ---94
学びと実践 谷津田を復元 田んぼ塾 ---96
里山の資源を活用 谷津田の耕作 水と肥料は里山から ---98
市民参加のひとつのあり方 谷津田の米を買ってもらって里山保全 谷津田米オーナー制度 ---100
オニバスサミット 絶滅の危機の象徴 環境保全で意見交換 ---102
里山サミット 全国から参加 市民・行政の役割は ---104
サシバサミット 渡るタカ「サシバ」と里山 歴史、自然から考えるサシバの未来 ---106
身近な自然を認識 里山を全国に発信 3回のサミット ---108
大池を知るには パンフや会報発行 展示会も実施 ---110
自然環境の記録 宍塚地域自然環境調査報告書 「どんなところ」の正体を調査 ---112
命あふれるワンダーランド 宍塚大池の仲間たち ---114
里山の文化を記録する 聞き書き「里山の暮らし」 歴史部会 ---116
未来への財産 宍塚に開発の計画 地域全体視野に入れ判断を ---118
解説 観察会のご案内 ---85
解説 秋の七草 ---89
解説 2000年 里山さわやか隊活動内容 ---95
解説 2000年 田んぼ塾活動紹介 ---97
解説 緑の確保 ---119
改訂版あとがき ---120
あとがき ---122
散歩地図「宍塚の里山」 ---124
宍塚の自然と歴史の会ライブラリー(出版物) ---126
会の歌「風の色」 ---128
宍塚の里山 生き物リスト(木本 蝶 野鳥) ---130
会の活動(1980〜2001年) ---131
アクセスマップ ---132
この本づくりに関わった人たち ---134
宍塚大池を写真で紹介 ---表3
| 出版案内 |
宍塚の自然と歴史の会 2001