平成14年度前期・後期

古建築研究会の活動

定例会 6月11日拓本採集 山方町大内野の国神神社本殿 享保六年

 六月11日の定例会は県北の山方町に拓本採取に行きました。山方町には古建築研究会に御理解の有る根本一さんが居り、かねてより国神神社の調査をお願いしたところ、快く引き受けていただき、当日は神社の役員も来ていただき一緒に調査をいたしました。古建築研究会からは顧問の一色史彦先生、増田、沼野、木村、今井、清水、若泉、松浦が参加いたしました。神社の役員から昭和57年に調査いたしました時の新聞の切り抜きによるとこの本殿は享保六年の建立で下檜沢(美和村)の大工、小室盛重の製作で彫刻も同氏が製作か。美和村は栃木県茂木町も近く、この大工も茂木町千本の大工達と仕事をしていた可能性が有る。木鼻や虹粱の蔓文などが千本の大工の様式によく似ている。調査の後、地元の根本さんが山方町の久隆地区を案内していただき、すばらしい風景を堪能してきました。根本さんは山方町で蕎麦のパン屋「蕎麦曼陀羅」を経営し、地元奥久慈ののすばらしさを紹介しています。「奥久慈は世界一」という本も執筆し、奥久慈の良いところを発見し、多くの人に紹介しています。今回は久隆地区で日本一美味しい山水を案内してくれました。

山方町・国神神社階段下にて地元関係者と記念写真

定例会 5月14日拓本採集 取手市寺田の東漸寺 観音堂(市指定)寛文七年

 5月14日の定例会は、取手市寺田の天台宗・東漸寺の観音堂に拓本を採りに行きました。この観音堂は寛文7年に建立されたものである。江戸時代初期に当たる寛文期に建立されたお堂は少なく貴重な建物である。今日は初めて拓本採集に参加された方が三名(下妻、東京世田谷)が居られ、一色先生を含めて合計11名で拓本を採取しました。観音堂の隣にはかなり痛んで入るが江戸時代中期と思われる鐘楼が有り是も一緒に拓本を採りました。拓本を採取の後、御住職に挨拶をしたところ、現在新築されている本堂を設計された古川氏を紹介された。古川氏は解体した旧本堂の部材に案内してくれ、その資料を見せていただき解説をしてくれました。その説明によると旧本堂の墨書によると「内陣須弥壇四天柱墨書  宝暦二年 申三月二日 山川 市村組 孫市 三十六歳二 是を定る」とあり、建立されたのは宝暦二年であり、建築に携わった大工は結城山川の市村氏の一門であった。市村氏は一色先生の調査によると水海道市の一言主神社本殿、つくば市の金村雷神社本殿、一の矢の八坂神社拝殿等に名前が記されている優秀な大工である。鐘楼の棟札も有り、鐘楼は棟札によると「鐘堂 享保九年甲辰 奉新造立鋳鐘堂一宇 六月吉日 當村大工 岡田伝兵衛」とあり、享保九年の建築である。今日初めて参加された三人もインターネットで出会った方ですがもっと多くの人の参加をお待ちしています。

東漸寺観音堂

定例会 葛飾板東三十三札所巡り 平成14年4月9日

 昨年に引き続き、今年も県西地方に12年に一度の札所巡りが開設されました。当会の会員である三和町の増田さんも地元・札所の手伝いの為に今回の巡礼には参加できませんでしたが我々の訪問を歓迎してくれました。昨年の猿島板東札所は関宿藩の藩内でしたが葛飾板東の解説本によると古河藩を中心に周辺の旗本領、幕府領なども含まれています。当日は下妻市の串田さんも初めて参加していただきました。最初に番外ですが土浦に一番近い八千代町の新長谷寺より巡り、増田さんの待っている三和町諸川の宝蔵寺へ向かいました。増田さんは会員を歓迎してくれ、観音堂に案内して下さいました。この度の葛飾板東札所はなかなかの盛況で読売新聞によると土日の休日などは一日千人もの人が廻る賑わいだそうです。十ケ所程回り帰路につきました。雨が降りそうな天気でしたが降られずに最後まで巡礼できました。参加者 松浦、今井、渡辺、北沢京子、北沢房子、沼野、木村、青山、若泉、串田さんでした。

札所巡り・宝蔵寺(三和町諸川)左が増田さん

平成14年3月5、6、7、日(火、水、木)

 「第三回国宝建造物を巡る旅・洛南の建築と滋賀県湖東三山、洛北の禅宗寺院」を開催いたしました。今回は古建築研究会を発会以来10周年になり、記念して開催いたしました。参加者も一色先生を含めて34名と多くの参加をいただき有り難く思っています。初日は朝早く、土浦駅を五時の列車に乗り、東京駅で全員が集合して新幹線に乗りました。京都駅は濃い曇り空で何時降り出すか判らない天気でした。京都駅で待っていたバスは後部座席がサロンになっている豪華バスで、早速最初の目的地宇治上神社に向かいました。宇治川の向こうに宇治平等院が見える場所でバスを降り、路地を宇治上神社に向かいました。この路地にはバスは入れなくて通 りから約500mくらい奥に宇治上神社はありました。吃驚したのは国宝建造物が入り口に冊もなく中に入れて、手で触れるところに拝殿と本殿が有ったことです。関東の多くの神社はまず瑞垣が有って直接触れるところにないのがふつうの感覚であったので余計に感動いたしました。 この後は別ページで報告します

宇治上神社で一色先生の説明を聴く

平成14年2月12日(火)

 定例会 拓本採集へ                              一週間前に当会に参加してくれたハンス・グンダーマンさんが訪れて、今北条に家を買って住んでいますと話してくれました。その折、近くのお寺の本堂が解体されると伺い、予定を変更して会員の皆様と一緒につくば市北条の無量 院へ拓本を採りに伺いました。 まず、無量院の近くにある鹿島神社へ小さな本殿ではあるが同じつくば市山木にある八巻神社本殿よく似た木鼻、虹粱の絵様で同じ寛文期の建立と思われる。それから無量 院に向かい、御住職の奥様に許可を貰い、拓本採集を始めた。無量院の本堂はつくば市の文化財によると棟札写 しがあり、「享保十一年建立成就、大工・市野辺村(現下館市)羽田兵助、小工・井野村(取手市)永瀬茂兵衛、この他仕手として松田八郎兵衛、矢島半兵衛、山田仁右衛門」とある大工の名前も解り、時宗の本堂として数少ない例でもある。解体されるのは惜しいが御住職によると木鼻や虹粱等を解体のおり保存するとの事である。 今回の参加者 松浦、増田、渡辺、北沢房子、北沢京子、今井、若泉

つくば市北条の無量院本堂

平成14年1月15日(火)

 定例会 初詣に大洗磯前神社へ                         前日に霞ヶ浦町宍倉馬場の鹿島神社が改築修理をしているのが分かり、近くに住んでいます大枝先生にお願いをいたしまして鹿島神社の拓本を採取する許可を貰いました。当日には改築をしているところに神社の代表さんがおられ、改築の際に発見された棟札を見せていただけました。現場ではと言うことで大枝先生の家で棟札の写 真と書き写しをしました。棟札には前もって様式により桜井氏の名前が出てくると思われましたが桜井瀬兵衛の弟子福田忠七郎の名前が出てきました。福田氏の名前は享保17年建立の江戸崎町高田神社の中に出ている。桜井氏の下で修行して活躍している大工の名前が出てくるの楽しくなる。この後も多くの桜井氏の弟子の名前が出てくると思われる。拓本の採取の後、初詣でに大洗磯前神社に向かいました。

 今回の参加者、松浦、増田、渡辺、北沢房子、北沢京子、青山、大枝、


          

大洗磯崎神社前の茅の輪前で

平成13年度の実績
 平成13年 1月 9日 初詣   つくば市 筑波山神社
 平成13年 2月13日 拓本採取 那珂町  一乗院             
 平成13年 3月13日 拓本採取 潮来市  観音寺薬師堂・山門 
 平成13年 4月 3日 見学会  岩井市  猿島板東三十三カ所観音霊場巡り  
 平成13年 4月10日 見学会2 岩井市  猿島板東三十三カ所観音霊場巡り  
 平成13年 5月 8日 拓本採取 五霞町  東昌寺山門
 平成13年 6月12日 拓本採取 大子町  慈雲寺山門 
 平成13年 7月10日 拓本採取 岩間町  普賢院本堂・客殿  
 平成13年 8月 7日 拓本整理 土浦市  土浦石岡地方社教センター  
 平成13年 9月11日 見学会  新利根町 常陸七福神巡り・逢善寺、長勝寺 
 平成13年10月 9日 勉強会  福島県  会津の古建築と大内宿  
 平成13年11月13日 拓本採取 大子町  慈雲寺山門 
 平成13年11月13日 公開講座 土浦市  現代の茅葺き・ヨーロッパ事情
 
 平成13年12月11日 納会   土浦市  拓本の整理と忘年会
 
 

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