平成14年度

古建築研究会の活動(下半期)

定例会 12月10日(火)拓本の整理と納会

 平成14年の活動も無事終わり、土浦石岡地方社会教育センターで今年最後の例会を開催しました。午前中はこれまでに採った拓本をコピー機で縮小し、鉛筆とホワイトで不要な線を消す、修正作業をいたしました。午前中の作業を終え、場所を移して「つるべ」で納会を開催いたしました。納会では来年の予定や希望など、また、八郷町での社寺建築調査が決まりましたので介意の皆様に協力をお願いいたしました。今回の参加者、松浦、渡辺、増田、清水、今井勝間田さんでした。


つるべの前で

定例会 11月12日八郷町の社寺建築見学

 古建築研究会は一色先生が八郷町の社寺建築を調査することが決まり、その手伝いをすることにしました。11月の定例会はその準備を兼ねて会員で下見に行くことにしました。今回は片野の八幡神社、川又の息栖神社、大増の香取神社、瓦谷の日笠神社、部原の真光寺を見学しました。今後、調査の予定が決まりましたらば順次、予定を掲載いたしますので参加して下さい。今回の参加者、松浦、青山、増田、沼野、今井でした。


八郷町瓦谷・日笠神社本殿(嘉永三年)

研修会 新潟県の古社寺巡りと温泉の旅 10月21、22日
西会津町・如宝寺
東蒲原郡鹿瀬町・護徳寺
東蒲原郡三川村・平等寺
宿泊ー笹神村五頭温泉郷-出湯・中喜屋
北魚沼郡小出町・西福寺大浦開山堂

 今年の研修会は10月に定例会は「新潟県の古社寺巡りと温泉の旅」と銘をうって、新潟へいって参りました。詳細は別ページに報告してあります。


護徳寺にて

定例会 10月8日拓本採集 益子町・西明寺仁王門、三重塔(国指定)室町時代

 10月の定例会は三和町の増田さんの尽力により栃木県益子町の再明寺の調査をすることが出来ました。西明寺には室町時代後期に建立された仁王門、三重塔(国指定)、元禄時代の本堂(県指定)、江戸後期の鐘楼、閻魔堂(町指定)と多くの建築が有ります。今回は地元の大工・酒井さんが参加していくれました。酒井さんは今、益子町から依頼されて益子町の古建築を調査されています。まず、鐘楼から拓本を採り、仁王門、三重塔、閻魔堂の順で拓本を採りましたが時間がお昼を過ぎ、本堂はまた次の機会と言うことになりました。西明寺は板東三十三観音札所でも有り、参拝客が途切れることが有りませんでした。団体で参拝される方も有り、境内は賑やかでした。今回は西明寺の御本尊十一面 観音の御開帳の時に恵まれ、拝観することが出来ました。昼食を益子町で取った後、帰りに岩瀬町賀茂に有る鴨大神御子神主玉 神社を見学して帰路につきました。今回の参加者、松浦、今井、沼野、北沢房子、北沢京子、渡辺、清水、増田さんでした。


西明寺閻魔堂

古建築見学会 9月10日(火)足利市・鑁阿寺と足利学校

 前日までの不安定な転向が心配されましたが当日は良い天気に恵まれて鑁阿寺を見学できました。土浦からは直接高速道路が通 っていないため、約三時間余もかかり、六時半の出発ながら11時の到着となりました。途中トイレ休憩は運転手さんが50号線の方が早く着くと言うことなので結城市の方を廻り、結城のドライブインで休憩を取り、足利へ向かいましたが小山市の先で工事区間が有り、帰りは古河市を経由し、古河総合公園でトイレ休憩を取りました。鑁阿寺は関東地方では数少ない鎌倉時代の建築があります。本堂は鎌倉時代末期の1299(正安元年)、鐘楼は創建当初の1234(天福2年)、東門、西門も創建当初と思われ、木割りも太く、柱の面 も鎌倉時代に相応しい幅広さを持っています。今回の鑁阿寺見学では本堂と経蔵が内部見学が出来、参加者の皆様は何回かここには来ていますが内部を見学出来たのは始めての方がほとんどでした。じつは私も。鑁阿寺を見学の後、昼食を取り、昼食後の足利学校は自由見学となりました。


足利市・鑁阿寺仁王門の前で解説

「建築と装飾」フォーラム 9月7日(土)PM13:00より 茨城県立図書館

 9月7日土曜日に水戸市の旧県庁跡にあるこれも旧茨城県会議事堂として使われていた建物、県立図書館にて「建築と装飾」フォーラムが開催されました。会場は会議場として使用されていた場所をそのままスクリーンなどを整備し、各種会議等に利用できるようにしてあります。まず、基調講演として郷土文化顕彰会理事長・建築文化史家・一色史彦先生から近世社寺建築の装飾・絵様から始まりました。古建築研究会が編集いたしました「茨城県古社寺建築細部様式拓本集」をもとにスライドを交えて約45分間の講演でした。15分の休憩の後、司会の今瀬文也先生(茨城民俗学会)の紹介で各先生の建築と装飾のかかわりを20分程講演がありました。稲葉和也先生は古代インド建築の細部装飾から始まり、中国、古代朝鮮など、近隣諸国の装飾の変遷を解説いたしました。次に福田先生はヨーロッパの建築装飾の変遷をもとに古代ギリシャの建築から現代の建築の装飾までいろいろな角度から講演をいただきました。最後に地元の建築家・横須賀満夫先生より水戸市内にある近世・近代建築をスライドで紹介しながら「まちのたからもの」というタイトルで紹介してくれました。


旧茨城県会議事堂の議場(現在は図書館閲覧室、会議場)

定例会 7月9日拓本採集 笠間市片庭 楞厳寺山門(国指定)室町時代

 7月9日の定例会は笠間市片庭の楞厳寺山門に行きました。この山門は一色先生が茨城県文化財審議委員になられる前から国指定の重要文化財に指定されていたためか一色先生の手許には拓本が有りませんでした。室町期の建築は細部が一つ一つが違って拓本採ると結構楽しいものです。当日は御住職も一緒に見たいと言うことなので研究会の仲間とともに山門の下で最後まで付合ってくれました。拓本の採取の後、楞厳寺の本堂へお参りすることにしました。本堂は山門よりかなり離れたところに有り、車に乗って境内の下に有る駐車場に向かいました。雰囲気の有る境内の階段を登っていくと元禄期に建立された観音堂が目の前に現れてきます。境内で観音堂を見学していますと御住職が宝物殿に納められている重要文化財の御本尊を見せていただけると言うので、観音堂の裏手に有る宝物殿に向かいました。この千手観音は鎌倉時代の銘が有り、寄進者も笠間の領主・笠間時朝であることが解っています。帰りしなに御住職がお茶を入れてくれて本州北限のヒメハルゼミについて話をしてくれました。今回の参加者、松浦、今井、沼野、木村、串田、増田さんでした。


笠間市片庭・楞厳寺階段下にて参加者の記念写 真

定例会 8月13日 拓本の整理 土浦・石岡地方社会教育センター

 8月13日、土浦市の社会教育センターでこれまでに採集した拓本の整理をいたしました。フィールドワークで採取した拓本をコピー機で縮小し、大きいものは繋ぎ合わせて、線の薄いところは鉛筆で調整し、詐取の時に風や紙の動きでズレた線や、2重になった線をホワイトで消しながら調整していきます。御盆に入った日なので参加者は少なかったですが宇都宮大生が訪れてくれ、古建築の話をいたしました。

 

平成14年度上半期の実績

 

 平成14年 1月15日 初詣   大洗町 大洗磯前神社
 平成14年 1月15日 拓本採取 霞ヶ浦町宍倉 鹿島神社本殿・拝殿
 平成14年 2月12日 拓本採取 つくば市北条 鹿島神社本殿
 平成14年 2月12日 拓本採取 つくば市北条 無量院本堂
 平成14年 3月5、6、7、日 「第三回国宝建造物を巡る旅
              ・洛南の建築と滋賀県湖東三山、洛北の禅宗寺院」
 平成14年 4月 9日 見学会  三和町  葛飾板東三十三カ所観音霊場巡り
 平成14年 5月14日 拓本採取 取手市寺田 東漸寺観音堂・鐘楼
 平成14年 6月11日 拓本採取 山方町 国神神社
             

平成13年度の実績
 平成13年 1月 9日 初詣   つくば市 筑波山神社
 平成13年 2月13日 拓本採取 那珂町  一乗院             
 平成13年 3月13日 拓本採取 潮来市  観音寺薬師堂・山門 
 平成13年 4月 3日 見学会  岩井市  猿島板東三十三カ所観音霊場巡り  
 平成13年 4月10日 見学会2 岩井市  猿島板東三十三カ所観音霊場巡り  
 平成13年 5月 8日 拓本採取 五霞町  東昌寺山門
 平成13年 6月12日 拓本採取 大子町  慈雲寺山門 
 平成13年 7月10日 拓本採取 岩間町  普賢院本堂・客殿  
 平成13年 8月 7日 拓本整理 土浦市  土浦石岡地方社教センター  
 平成13年 9月11日 見学会  新利根町 常陸七福神巡り・逢善寺、長勝寺 
 平成13年10月 9日 勉強会  福島県  会津の古建築と大内宿  
 平成13年11月13日 拓本採取 大子町  慈雲寺山門 
 平成13年11月13日 公開講座 土浦市  現代の茅葺き・ヨーロッパ事情 
 平成13年12月11日 納会   土浦市  拓本の整理と忘年会
       
 
 

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